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2025.12.21
アスベストは災害で飛散する? 家庭での対策と災害時初動フローを解説
いつ、どこで起こるかわからない災害。
ただでさえ不安なのに、
「倒壊した建物のアスベストは飛散してしまうのか?」
「粉じんを知らないうちに吸い込んでしまうのではないか?」と考えると、胸の奥がざわつくような恐怖を感じてしまうのではないでしょうか。
大きな災害は、心身を消耗させます。
そこにアスベストによる健康リスクまで加わるなんて、できれば避けたいですよね。
しかし実際には、アスベストの危険性や災害時にどんなリスクがあるのかを知らないまま、被災してしまう方も少なくありません。
本記事では、災害時に起こりうるアスベストの飛散リスクや、家庭でできる対策を住民目線で解説していきます。
災害時のアスベスト飛散リスク

アスベストが危険なのは、建材が壊れたり削られたりして、繊維が空気中に飛び出したときです。
アスベストには飛散性と非飛散性の2種類があり、吹付け材などの飛散性アスベストは、繊維が露出しやすく、老朽化や軽度の損傷でも粉じんが発生するおそれがあります。
一方、スレートなどの非飛散性アスベストは、通常はセメントなどに固められているため、日常生活での飛散リスクは高くありません。
しかし、地震や台風などの災害時には建物の倒壊、屋根・外壁の破損、がれきの切断・運搬などによって建材が壊れれば、非飛散性でも粉じんが飛散しやすくなります。
アスベストの飛散距離や広がり方については、関連記事をご覧ください。
(関連記事:アスベストはどのくらい飛ぶ?飛散範囲と健康への影響)。
アスベストは見た目での判別不可能

アスベストを含んでいるかどうかは、見た目ではほとんどわかりません。
災害時に特に注意が必要な建材の例は、以下の通りです。
- 吹付け材(鉄骨の耐火被覆など)
- 配管やボイラー周りの保温材
- スレート屋根、スレート外壁
災害時の初期対応フロー(0〜72時間)

災害が発生した際の一般的な行動の目安は、以下の通りです。
実際には、必ず自治体や現場の指示に従ってください。
0〜1時間
【必要な行動】
- 人命と安全の確保
- 屋内にいる場合は窓や換気口を閉める
- 避難時は口と鼻をマスクなどで覆う
【やってはいけないこと】
- 倒壊現場や白い粉じんの場所に近づく
1〜24時間
【必要な行動】
- 激しい破損や粉じんの堆積がある場合は、自分で触らず自治体に連絡する
- アスベストの本格的な除去・処理は、専門業者に任せる
【やってはいけないこと】
- 乾いたほうきで掃く
- 家庭用掃除機で吸い込む
- 高圧洗浄機で洗い流す
- 素手・マスクなしでがれきに触る
24〜72時間
【必要な行動】
- 危険箇所を家族で共有する
- 子ども、高齢者、呼吸器疾患のある方は特に近づけない
- 風が強い日の屋外作業は控える
アスベストばく露を防ぐための3装備

一般的な不織布マスクではアスベスト繊維を十分に捕集できません。
災害現場に近づく必要がある場合や、ボランティア活動に参加する場合は、以下の装備を必ず準備してください。
- 防じんマスク(DS2またはRS2)
国家検定に合格した高規格マスクで、顔にすき間なく密着させる。
※粉じんが多い作業では、このクラス以上のマスクが推奨されることがあります。 - ゴーグル
粉じんは目の粘膜にも付着するため、側面まで覆う防じんゴーグルを使用する。
伊達メガネではすき間から粉じんが入りやすい。 - 肌を出さない服装
長袖・長ズボン、使い捨て手袋、つま先を覆う靴(長靴)を用意。
作業後は衣類を他の洗濯物と分けて洗い、可能な限り早くシャワーで洗い流す
平時にできる3つの備え

災害発生後に慌てないために、平常時から以下の情報を把握しておくことが重要です。
- 建物の情報を把握する
自宅の築年(2006年9月1日以降の着工ならリスクが低い)や増改築の履歴を確認し、専門家に相談できるよう情報を整理
- 自治体マニュアルを確認・保存する
居住の自治体が公開している「災害時のアスベスト・災害廃棄物」マニュアルを探し、PDFなどをスマートフォンやクラウドに保存しておく
- 装備を備蓄する
家族の人数分のDS2/RS2防じんマスク、ゴーグル、厚手の手袋などを防災用品として備蓄
まとめ
災害時のアスベストリスクを最小化するための基本原則は、以下の行動を徹底することです。
- 命と安全の確保
- 倒壊現場や粉じんに「近づかない・触らない・吸い込まない」
- 自治体や専門業者に相談する
- 平時からできる備えを行う
不安なときは、「迷ったら自分で触らず、行政や専門家に相談する」という原則を思い出してください。
出典