お知らせ
2024.09.29
アスベスト調査が義務化!リフォーム時の注意点と費用について
近年の法改正により、リフォーム時のアスベスト事前調査が義務化されました。
- リフォームするのにアスベスト事前調査が必須?
- アスベスト事前調査って費用はいくらかかる?
- リフォーム時の調査費用は誰が払う?補助金は?
上記のような内容を、分かりやすく解説します。
アスベストは取り扱いを間違えると重大な健康被害を引き起こしてしまいますし、法令違反には直接罰も課される可能性があるため、リフォーム前に必ず確認しておきましょう。
リフォームでもアスベスト事前調査は義務化されている
業務用建物の解体・建築・修繕だけでなく、一般住宅のいわゆる「リフォーム工事」においても、アスベストの事前調査が義務化されています。
大気汚染防止法の一部を改正する法律が令和3年(2021年)4月から施行され、さらに、2023年10月1日からは専門の有資格者による調査が義務付けられました。
義務化の背景
アスベストの吸入は、肺がんや中皮腫などの重大な健康被害を引き起こすことが判明し、1990年代以降、使用が段階的に禁止されました。
また、近年は、建物の老朽化に伴いアスベストが含まれた建材の除去や廃棄が問題となっています。作業者や周辺住民の安全を確保するため、国はアスベスト関連の制限を厳しくしています。
一定以上の工事では調査結果の報告も必要
さらに、一定規模以上の工事では、アスベスト事前調査結果の「報告」も義務になっています。
- 解体工事の場合は解体部分の延べ床面積80㎡以上
- 改修工事の場合は請負金額が100万円以上
上記に該当する場合は、電子システムにてアスベスト事前調査の結果を労働基準監督署に報告する必要があります。
リフォーム時のアスベスト事前調査が不要なケースとは?
基本的に、すべてのリフォーム工事でアスベスト事前調査が必要なのですが、一部、例外的に調査が不要となるケースがあります。
- 素材にアスベストが含まれていない
- 軽微な損傷しか与えない作業
- 塗装や材料の追加のみ
- 2006年9月1日以降に着工された建物
詳しくは「アスベスト事前調査が対象外になる条件や具体例を紹介」の記事で解説していますが、いずれにしても専門家に相談してみると安心です。
リフォーム工事のアスベスト調査費用はいくらかかる?
リフォームの前にアスベスト事前調査を依頼する場合、費用はいくらかかるでしょうか?
建物の規模や調査範囲によって異なりますが、一般的な費用の目安は以下の通りです。
調査の種類 | 費用の目安 |
---|---|
図面調査 | 2万円〜3万円 |
目視調査 | 2万円〜5万円 |
分析調査 | 1検体あたり3万円〜5万円 |
図面調査と目視調査だけを行う場合、費用の平均的な目安は4~8万円程度となります。
より詳細な分析調査が必要となった場合は、追加で費用がかかります。
リフォーム時のアスベスト調査費用に補助金は使える?
民間建築物に対するアスベスト調査等に関して、地方公共団体において補助金制度があります。(※自治体によっては補助金制度がありません。)
自治体によって10~25万円程度の補助金が設定されているものの、補助対象となるのはアスベストレベル1建材にあたる「吹付けアスベスト」「アスベスト含有吹付けロックウール」に限定されているケースも多いです。
レベル2・レベル3のアスベスト建材については対象外となる場合があるので、事前に問い合わせてみましょう。(参考:厚生労働省、東京都のアスベスト補助制度)
アスベスト調査費用は誰が負担する?
調査費用は、基本的に建物の所有者が負担します。リフォーム費用とは別で、アスベスト調査費用も予算に入れておきましょう。
まとめ
この記事では、アスベスト事前調査の義務化に伴うリフォーム時の注意点と費用について解説しました。
近年の法改正により、リフォーム工事においても事前調査は必須となり、規模によっては報告も必要となります。なお、調査や報告を怠ると法令違反となり、罰則が科される可能性もあるため、十分な注意が必要です。
リフォームを計画している人は、アスベスト対策にも心を配らなくてはいけません。疑問点や不明点がある場合は、専門家に相談するのが最も安心です。この記事が参考になっていれば幸いです。