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2024.12.26
【アスベストを触った…】皮膚から吸収されることはあるのか?
アスベストを触ってしまったかもしれない…そんな経験をすると、健康への影響が不安になりますよね。特に「皮膚から吸収されてしまうのでは?」という疑問は、ネットでも多く検索されています。
この記事では、アスベストの性質や皮膚への影響について客観的な科学情報をもとに解説します。
万が一、アスベストに触れてしまった場合の正しい対処法も紹介するので、過度に不安にならず、落ち着いて対応できるようにしましょう。
アスベストとは?触ったら危険はあるのか
アスベスト(石綿)は、天然に産出する鉱物繊維で、耐熱性や断熱性に優れていることから、建材や断熱材として長年使用されてきました。
しかし、その繊維が極めて細かく、空中に浮遊しやすい特性から、吸入による健康被害が問題となり、現在では使用が厳しく規制されています。
アスベストを触るだけで皮膚から吸収される可能性は?
アスベストの危険性は主に「吸入」によるものです。微細な繊維が肺に到達し、長期間にわたって蓄積されると、肺がんや中皮腫といった深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。
一方で、「触れるだけ」で皮膚から吸収される可能性はなく、健康に大きな影響を与えるリスクは低いとされています。その理由は以下の通りです。
- アスベストの化学的特性:アスベストは水に溶けにくく、皮膚を通過しにくい性質があります。
- アスベスト繊維の大きさ:アスベスト繊維は、皮膚の細胞間を通過するには大きすぎます。
- 皮膚の保護機能:健康な皮膚は、外部からの物質の侵入を防ぐバリア機能を持っています。
アスベストの繊維は非常に細かいとはいえ、皮膚を通り抜けて体内に吸収されるような性質を持っていません。
皮膚に付着したとしても、それ自体が健康リスクを直接引き起こすことは考えにくく、これまでに皮膚障害が起きたという研究報告もありません。(参考情報:京都府『アスベスト(石綿)の健康相談に関するQ&A』)
ただ、当然ながら不必要な接触は避けてください。
アスベストを触った時の間接的なリスク
アスベストを含む物質を触った後、手を洗わずに顔や口に触れることで、間接的に吸入してしまうリスクがあります。また、劣化したアスベスト製品に触れたとき、粉じんが発生し、それを吸入することで健康被害が生じるリスクがあるので注意が必要です。
アスベストに触れたときの正しい対処法
万が一アスベストに触れてしまった場合でも、冷静に対応すればリスクを大幅に軽減できます。
以下に、適切な対処法をステップごとに解説します。
ステップ1:衣類や靴を適切に処理する
触れた際に着用していた衣類や靴にはアスベスト繊維が付着している可能性があります。静かに脱いだら、床に触れることなくビニール袋に密閉し、専門業者に相談するか、廃棄することを検討しましょう。
ステップ2:室内で触れた場合は清掃を徹底する
触れた場所が屋内の場合、掃除機で吸い取るのではなく、湿らせた布やモップで拭き取るのが効果的です。掃除機を使用すると繊維が空気中に舞うリスクがあります。
ステップ3:不安が残る場合は医療機関に相談
健康への影響が心配な場合は、医師に相談することをおすすめします。呼吸器系の専門医に検査を依頼してください。
まとめ
今回の記事では、アスベストを触れた際のリスクや対処法について解説しました。
繰り返しになりますが、アスベストに触れただけで重大な健康リスクが生じる可能性は非常に低いです。 皮膚からアスベストが吸収されることはないため、過度に心配する必要はありません。しかし、適切な対応を怠ると、衣類への付着や空気中への拡散によってリスクが高まる可能性があります。
この記事で紹介した対処法を実践し、不安がある場合には専門家や医療機関に相談してください。また、アスベストを含む工作物や建物については、速やかに専門機関に相談し、適切な対処方法の指示を仰ぎましょう。