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2025.10.14
【保存版】アスベスト建築物の解体までの流れ・費用・届出を徹底解説
「アスベストを含む建物を解体したいが、何から始めればいいのか分からない」
「届出のルールが多くて難しそう」
と感じていませんか?
アスベストを含む建物の解体には、安全確保と法令遵守が欠かせません。
本記事では、アスベスト解体の基本的な手順、費用の目安、最新の法規制に基づいた届出の要点を整理し、安心して工事を進めるためのポイントを解説します。
アスベストのレベル分類

アスベストは以下のとおりレベル1〜3に分類され、発じん性が高いほど厳重な対策が求められます。
| レベル | 主な建材の例 | 発じん性 |
|---|---|---|
| レベル1 | 吹付け材 | 極めて高い |
| レベル2 | 保温材・耐火被膜材・断熱材 | 高い |
| レベル3 | 成形板・ビニル床タイル | 比較的低い |
レベルの詳しい解説については関連記事をご確認ください。
アスベスト解体工事の着工前〜完了までの5ステップ
アスベスト含有建築物の解体工事は、主に以下の流れで進行します。
1. 事前調査とレベル判定の実施
建築物の解体工事では、原則として有資格者によるアスベストの事前調査が義務付けられています。
(一部の例外については、関連記事をご確認ください。)
調査内容は、アスベストの有無と含有している場合のレベル(1〜3)の判定です。
調査結果は、工事が一定規模以上(解体:床面積の合計80㎡以上、または請負金額100万円以上など)の場合、行政への報告が義務づけられています。
2. 届出・掲示と施工準備と近隣住民への周知
事前調査結果と工事内容に基づき、後述する報告や各種届出を行います。
解体現場には、調査結果や届出内容を示す標識の掲示が必要です。
工事の期間や内容を近隣住民へ事前に周知し、理解を求める作業も欠かせません。
3. アスベストの隔離・除去作業と飛散防止措置
作業中はアスベストの飛散を防ぐため、作業箇所をビニールシートなどで厳重に隔離し、常に湿潤状態を保ちます。
特にレベル1及び2の建材を切断等により除去等を行う場合は、作業場を負圧に保つ「負圧隔離養生」が必要です。
作業員は防護服と防じんマスクを着用し、飛散防止措置を徹底します。
4. 特別管理産業廃棄物としての処理とマニフェスト管理
除去したアスベストは、「特別管理産業廃棄物」として厳重に梱包し、許可業者により処分されます。
引渡しから最終処分まで、マニフェスト(管理票)による追跡と記録が義務付けられ、処理完了を確認する責任があります。
5. 完了確認と報告、作業記録の保管
作業完了後は、アスベストの取り残しがないか、囲い込み・封じ込めの措置が正しく実施されているかを、石綿作業主任者などの有資格者が目視で確認しなければなりません。
自治体の条例によっては、作業終了後に隔離を解く前に、残留アスベスト粉じん濃度の測定が義務付けられている場合もあります。事前に自治体に確認しましょう。
発注者への作業の完了報告および法定の作業記録の作成と保管も、義務付けられています。
アスベスト解体の費用目安と見積チェック項目

アスベスト解体の費用は、建物構造やアスベストの含有量・レベルによって大きく変動します。
一般的な解体工事費用の目安は次の通りです。
- 住宅30坪:50〜100万円程度
- 工場100㎡:100〜200万円程度
※足場・養生・運搬・処分費を含む概算
見積もり時には、レベルごとの作業範囲や内訳を業者に明確化してもらい、不明瞭な追加請求を未然に防ぎましょう。
自治体によっては、アスベストの調査・除去に補助金制度がある場合があります。
工事発注前に市区町村の環境課などへ確認することが重要です。
アスベスト解体の届出書類と提出先・期限一覧

アスベスト含有建築物の解体前には、複数の行政機関に報告や届出を行う必要があります。
特に重要な書類、届出先、提出期限を以下にまとめました。
| 書類 | レベル | 締切 | 提出先 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 事前調査結果報告書 | 全て | 工事開始前 | 石綿事前調査結果報告システムにて電子申請 | 一定規模以上の場合に限る。アスベストの有無は問わない |
| 建設工事計画届 | 1・2 | 工事開始の14日前まで | 労働基準監督署 | |
| 建築物解体等作業届 | 1・2 | 工事開始前まで | 労働基準監督署 | |
| 特定粉じん排出等作業実施届出書 | 1・2 | 工事開始の14日前まで | 自治体 | |
| 建設リサイクル法届出書 | 全て | 工事開始の7日前まで | 都道府県または特定行政庁 | 床面積80㎡以上の解体工事で必須 |
上記の届出に加え、解体工事現場に調査結果等を示す標識の掲示も必須です。
まとめ
アスベスト含有建築物の解体工事は、手順・届出・費用を正確に把握し、法に従って実行することが何より大切です。正しい知識を持ち、施工業者や自治体と連携しながら安全に作業を進めましょう。
出典