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2024.08.14

「アスベスト調査の義務化はいつから?2023年からの法律変更点と対応策

アスベストは、その優れた断熱性や耐久性から、かつて広く使用されていましたが、実は健康に悪影響を及ぼす可能性があることが判明しました。

平成17年に厚生労働省が定めた「石綿障害予防規則」(通称:石綿則)をはじめ、環境省なども交えて対策が進められてきました。

そんな中、2021年に施行されたアスベスト調査の義務化、そして2023年10月からは有資格者による調査が必須となるなど、建設業界や不動産業界にとって重要な変更が続いています。

本記事では、アスベスト調査の義務化の背景や法律の変遷、具体的な対応策について詳しく解説します。

アスベスト調査の義務化はいつから始まった?

工事前にアスベスト含有の有無を調べる事前調査の義務化については、2021年4月から始まりました。

さらに2023年4月1日以降は、アスベスト事前調査結果の「報告」が義務付けられました。この日以降に解体や改修を行う建物の所有者や管理者は、必ずアスベスト事前調査を実施し、その結果を市町村や都道府県に報告する義務があります。

2023年10月1日からは有資格者による調査が義務化

2023年10月1日から新たに義務化された事項として、アスベスト調査は有資格者によって実施されなければならないことが挙げられます。これにより、調査の信頼性が向上し、適切な管理が行われることが期待されますが、施工担当者の負担は増えることになりました。

アスベスト事前調査に関する法律改正の変遷まとめ

アスベスト事前調査に関する法律変更は、次々と起こるため、いつから施行だったのか分かりにくくなってしまいます。

そのため、上記の解説を、表形式で分かりやすくまとめました。

義務化の段階 日付 内容
事前調査の義務化 2021年4月1日 工事前にアスベストの有無を調べる事前調査が義務化されました。
調査結果の報告義務化 2022年4月1日以降 調査結果の「報告」が義務付けられ、解体や改修を行う建物の所有者や管理者は、アスベスト調査結果を市町村や都道府県に報告する必要があります。(※)
有資格者による調査の義務化 2023年10月1日 アスベスト調査は、有資格者によって実施されることが義務化されました。これにより、調査の信頼性が向上し、適切な管理が期待されますが、施工担当者の負担が増加しました。
※石綿の事前調査結果の報告対象は、以下のいずれかに該当する工事 (令和4年4月1日以降 に工事に着手するもの) で、個人宅のリフォームや解体工事 なども含まれ ます 。
【報告対象となる工事】
・建築物の解体工事(解体作業対象の床面積の合計80 ㎡以上)
・建築物の改修工事(請負代金の合計額100万円以上(税込))
・工作物の解体・改修工事(請負代金の合計額100万円以上(税込))
・石綿障害予防規則に基づき労働基準監督署にも報告する必要があります。
・石綿障害予防規則に基づく報告は、上記に加え、鋼製の船舶の解体又は改修工事
(総トン数20トン以上)も必要です。

参考にしてください。

なぜアスベストの事前調査は義務化されたのか?

基礎的な話ではありますが、そもそもなぜアスベストの事前調査が義務化され、法律が厳格化しているかと言うと、健康被害と環境汚染の観点からです。

アスベストを吸い込むと、肺がんや中皮腫などの悪性腫瘍を引き起こすことが明らかになりました。これらの疾病は、発症までに長い潜伏期間があり、一度発症してしまうと、治療が困難であることも大きな問題です。

また、アスベストは、非常に微細な繊維状の鉱物で、一度環境中に放出されると、風や水によって長距離を移動し、大気・水質・土壌に拡散されてしまいます。よって、各国の規制により使用が禁止されていますし、適切な取り扱いが求められているのです。

【2023年10月から】アスベスト事前調査ができる有資格者とは

建築物の解体や改修工事を行う際には、アスベストの有無を確認する事前調査が義務付けられています。2023年10月1日から、この調査は有資格者によって実施されることが義務化されました。

対象となる工事には、解体だけでなく、建築物の模様替えや修繕、設備の取り付け・取り外しも含まれます。

有資格者には以下の3種類があります:

  1. 特定建築物石綿含有建材調査者(特定調査者)
  2. 一般建築物石綿含有建材調査者(一般調査者)
  3. 一戸建て等石綿含有建材調査者(一戸建て等調査者)

これらの資格を取得するためには、各資格に応じた登録講習機関が提供する講習を受講し、修了することが求められます。

  • 特定調査者は、建築に関して一定以上の実務経験を持ち、石綿作業主任者の資格を有する者が対象です。講習内容は、11時間の講義と実地研修に加え、筆記試験と口述試験があります。
  • 一般調査者は、建築に関する一定の実務経験を持つ者が対象で、11時間の講義と筆記試験を受けます。実地研修はありませんが、内容の理解が求められます。
  • 一戸建て等調査者は、一戸建て住宅や共同住宅の内部に限定した調査を行う資格で、講習時間は7時間、筆記試験が実施されます。一般調査者と比べて、対象範囲が狭い分、研修内容が異なります。

これらの専門資格を有する者が事前調査を行うことによって、アスベスト調査の信頼性が向上し、適切な管理と対応が期待されます。

【Q&A】アスベスト事前調査の義務化に関するよくある質問と対策

Q. アスベスト調査を依頼するにはどうすればよいですか?

A. アスベスト調査は、専門の調査業者に依頼することが一般的です。業者選びの際には、資格や実績を確認し、信頼できるプロの業者を選定することが重要です。

Q. アスベストが検出された場合、どうすればよいですか?

A. アスベストが検出された場合、(これから解体・改修工事を実施することが決定しているならば)法令に基づき適切な除去作業を行う必要があります。除去作業は、専門の除去業者に依頼し、安全な手順で行うことが求められます。作業が完了した後は、再度調査を行い、安全性を確認することも重要です。

Q. アスベスト調査にはどれくらいの費用がかかりますか?

A. アスベスト調査の費用は、建物の規模や調査の範囲によって異なります。一般的には数万円から十数万円程度が相場とされていますが、詳細な見積もりは専門業者に依頼することで確認できます。費用を抑えるためにも、明確な実績のあるプロのアスベスト会社に依頼するといいでしょう。

【まとめ】アスベスト調査の義務化はいつから?→2021年~2023年で法律変更

今回の記事では、アスベスト事前調査の義務化はいつから始まり、どのような変更がなされてきたのか解説してきました。

建物の安全性を確保し、健康被害・環境被害を防ぐための重要な法律変更です。企業や関係者は、法律に基づいた適切な対応を行うことで、リスクを最小限に抑え、社会的な信頼を維持することができます。

なお、アスベストに関する法律や規制は、今後も変更や強化が行われることが予測されます。

これに対応するためには、最新の情報を把握し、迅速に対応する体制を整えることが重要です。もしくは、アスベストに関しては、信頼できるプロに任せてしまうのもひとつの方法でしょう。

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