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2024.08.30

【違いを解説】石綿作業主任者と石綿取扱作業従事者、建築物石綿含有建材調査者とは?

近年、アスベスト関連法による規制が厳しくなってきています。

2023年10月1日以降、大気汚染防止法の改正により、建築物の解体や改修工事では「建築物石綿含有建材調査者」の資格を持つ者によるアスベスト調査が義務化されています。

建築物石綿含有建材調査者以外にも、アスベスト関連の資格には「石綿作業主任者」「石綿取扱作業従事者」などの種類があり、それぞれ異なる役割があります。

この記事では、代表的なアスベスト資格の種類や取得方法、その違いについて詳しく解説していきます!

石綿作業主任者とは?

この資格は2006年に導入された国家資格です。

石綿作業主任者は、アスベスト含有建材の除去作業などを安全に行うための作業の指揮・監督を担います。作業者が石綿を吸い込まないようにする目的があり、専門的な知識が求められます。

資格取得には技能講習(約10時間)と修了試験への合格が求められます。この講習では、石綿の基本的な知識、関連する法規制、適切な取り扱い方法、作業環境の管理、安全衛生措置などについて学びます。

18歳以上であれば特別な実務経験は不要で、合格率も9割前後と言われています。

石綿取扱作業従事者とは?

石綿取扱作業従事者は、アスベスト含有建材の除去や解体作業に直接携わる作業員です。作業主任者の指示に従って安全に作業することが求められ、作業の立案や変更はできません。

石綿取扱作業従事者になるには、事業者が行う特別教育を受ける必要があります。この教育では、石綿の特性、危険性、取り扱い方法、安全装備の使用方法などについて学びます。実技や試験はなく、オンラインでも受講できます。

建築物石綿含有建材調査者とは?

建築物石綿含有建材調査者は2013年7月から施行された資格で、アスベスト含有の建築物を事前に調査する際に必要です。

また、建築物のアスベスト含有建材の事前調査を行った後、調査結果を報告書としてまとめ、適切な機関や関係者に提供することも重要な業務の一つです。アスベスト事前調査と報告が義務化されたため、重要性が高まっていると言えるでしょう。

誰でも受講できるわけではなく、以下のような資格が必要となります。(参考:建災防

(1)石綿作業主任者技能講習修了者
(2)大学において、建築に関する課程を修めて卒業した後、建築に関して2年以上の実務経験を有する者
(3)短期大学において、建築に関する課程を修めて卒業した後、建築に関して3年以上の実務経験を有する者
(4)高等学校または中等教育学校において、建築に関する課程を修めて卒業した後、建築に関して、7年以上の実務経験を有する者
(5)建築に関して11年以上の実務経験を有する者
(6)特定化学物質等作業主任者技能講習を修了した者で、建築物石綿含有建材調査に関して5年以上の実務経験を有する者

注 )受講資格はこの他にも規定されています。

建築物石綿含有建材調査者は、アスベスト対策の最初の重要なステップを担う専門家です。

その正確な調査結果が、後続の作業の安全性を大きく左右します。

石綿作業主任者・石綿取扱作業従事者・建築物石綿含有建材調査者の違いまとめ

以下の表で、石綿作業主任者、石綿取扱作業従事者、建築物石綿含有建材調査者の主な違いを比較します。

項目 石綿作業主任者 石綿取扱作業従事者 建築物石綿含有建材調査者
役割 作業の指揮・監督 実際の除去・解体作業 アスベスト含有建材の事前調査・報告
取得法 技能講習(約10時間)+ 修了試験 特別教育(約4.5時間) 講習 + 修了試験(種類により異なる)
資格 なし なし 建築や工学の学歴・実務経験
権限 作業方法の決定、指揮 限定的(作業の実施のみ) 調査結果の判断、報告書作成

参考にしてください。

【まとめ】アスベストに関する資格と、それぞれの違い

アスベスト関連の業務に従事する場合、どの資格が必要かを理解することは非常に重要です。

石綿作業主任者は、現場での管理や監督を行う際に必要で、法令遵守と安全管理の観点からリーダーシップを発揮する役割を担います。一方、石綿取扱作業従事者は、実際に石綿を取り扱う作業を行うため、現場での手作業や除去作業に直接関与する際に必要です。

建築物石綿含有建材調査者は、アスベスト事前調査を行い、報告書を作成する際に必要で、相応の実務経験や専門知識が必要となります。

法令順守の観点からも、これらの資格の違いを正確に理解し、人々の健康と安全を守りましょう。詳しいことはアスベスト調査のプロにご相談ください。

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