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2025.01.14

ロックウールにアスベストが含まれていた年代はいつまで?2006年全面禁止までの歴史と見分け方

ロックウールは、優れた断熱性能と防音効果から、建築材料として広く使用されています。

しかし、かつては有害物質である「アスベスト(石綿)」を含有していた時期があり、社会的に問題になりました。

今回の記事では、「ロックウールにアスベストが含まれていた年代はいつまで?」という疑問にお答えし、アスベストを含むロックウールが全面禁止に至るまでの背景、そしてロックウールとアスベストの判別方法について、プロの視点で詳しく解説します。

【前提】ロックウール自体は危険物質ではない

ロックウールとアスベストの関係性について見ていく前に、前提として、「ロックウールは危険物質ではない」ということは明示しておきます。

ロックウールは、文字通り「岩から作った綿」です。主に玄武岩や鉄炉スラグなどの鉱物を、1500~1600℃の高温で溶解し、繊維状に加工した人造鉱物繊維です。

耐火性・断熱性・防音性・湿気に強いなどの特性があり、建築物、工業用品、農業などの分野で使われています。

国際がん研究機構によって「ロックウールはヒトに対する発がん性が分類できない」とされており、アスベストのような直接的な危険性はありません。

ロックウールにアスベストが含まれていた年代はいつまで?

上記の通り、ロックウール自体は無害な鉱物繊維ですが、過去にはアスベストを混ぜて製造されていた時期がありました。アスベストが持つ耐火性や断熱性や耐久性をロックウールに付加する目的でしたが、これがのちに問題となります。

アスベスト含有ロックウールの使用期間は、おおよそ昭和50年(1975年)頃から昭和63年(1988年)頃までとされています。

環境省の『石綿含有建築材料の使用実態』という資料の中から、ロックウールについての内容を抜き出すと、以下の表の通りです。

用途 石綿の種類 石綿使用時期 石綿含有率 (%)
石綿含有吹付けロックウール (乾式) クリソタイル ~昭和50年 30以下
石綿含有吹付けロックウール (乾式) クリソタイル ~昭和55年 5以下
石綿含有吹付けロックウール (湿式) クリソタイル ~昭和63年 5以下

続いて、使用禁止になるまでの背景と見分け方について見ていきましょう。

ロックウールとアスベスト全面禁止までの歴史的背景

かつては、石綿含有率が60~70%にもなる「吹付けアスベスト」が建材として使われていました。しかし、1975年に吹付けアスベストの使用が原則禁止となり、その後、「アスベストを含む吹付けロックウール」が主流となったのです。

アスベスト含有率については、アスベストの有害性が広く認識されるようになるにつれ、段階的に使用が制限され、最終的には全面禁止に至りました。(※2006年に、アスベストを0.1%以上含む製品の製造、使用が全面禁止となっています。)

ロックウールとアスベストの見分け方は?判別はプロに任せよう

ロックウールにアスベストが含まれているかどうかを目視で判断するのは非常に困難です。アスベスト繊維は非常に細く、肉眼ではほとんど見えません。また、ロックウール自体も繊維状の物質であるため、外見だけでアスベストの有無を正確に判断することは専門家でも不可能です。

ただし、ロックウールとアスベストでは、酸に対する溶解性が異なります。この性質を利用して、サンプルを酸処理し、残留物を分析することで、アスベストの含有を確認できます。

ロックウールにアスベストが含まれるかどうか不明な場合は、専門家に調査を依頼しましょう。

まとめ

今回の記事では、ロックウールにアスベストが含まれていた年代と、その歴史的背景、そしてロックウールにアスベストが含まれているかどうか判別する方法について解説しました。

重要なポイントを改めてまとめます。

  • アスベスト含有ロックウールは、1975年~1988年頃まで
  • アスベストは2006年に全面禁止
  • ロックウールのアスベスト含有は専門業者による分析調査が必要

過去の建物に使用されているロックウールに不安を感じている場合は、決して自己判断せず、専門業者に相談するようにしてください。

アスベスト含有ロックウールの取り扱いを誤ると、従業員や近隣住民に健康に深刻な影響を及ぼす可能性もあります。アスベスト専門家に相談し、適切な処置を行いましょう。

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