お知らせ
2026.01.15
アスベスト住宅の安全管理ガイド|所有者が知るべき調査義務と飛散防止の基本
「住宅にアスベストが使われているかもしれない」と聞くと、
「すぐに除去しなければならないのか」
「健康被害は大丈夫か」と不安になりますよね。
しかし、アスベストは存在自体が危険なわけではありません。
大切なのは、現状を把握し、将来の解体やリフォーム時に適切に対処することです。
本記事では、不動産オーナーや戸建て所有者が知っておくべきアスベスト管理の基本と、近年の法令改正に伴う注意点を分かりやすく解説します。
アスベスト住宅管理の考え方:正しく恐れ、適切に守る

現在の日本の法令では、住宅内にアスベストが存在すること自体は違法ではありません。
物件所有者に求められるのは、経年劣化や破損による飛散を未然に防ぐことです。
管理の基本として、以下の3つを徹底しましょう。
- 触らない:むやみに建材を傷つけない
- 壊さない:DIYなどで壁を抜いたり削ったりしない
- 把握する:どこに、どのような状態で含まれている可能性があるかを知る
専門業者による除去を急ぐ前に、まずは現状を正しく把握しましょう。
築年数から予測するアスベスト使用の可能性

アスベスト使用の可能性は、以下のように住宅の築年数と密接に関係します。
- 2006年9月以前着工の建物
アスベストの製造・使用が原則禁止される前の建物。
屋根材、外壁材、天井の仕上げ材などにアスベストが含まれている可能性が比較的高い - 1980年代以前の建物
飛散しやすい吹き付けアスベストが使用されている可能性があり、より慎重な確認が必要
築年数はあくまで「可能性の目安」であり、正確な判断には、後述の事前調査が不可欠です。
所有者が日常で行えるセルフチェックのポイント

目視で確認できる劣化のサインは、以下の通りです。
- 内装材の損傷:天井や壁のボードにひび割れ、剥がれ、欠落がないか
- 表面の粉化:塗装や建材の表面を触ると、粉状になって付着しないか
- 湿気の影響:雨漏りや結露によって建材がもろくなっていないか
劣化が見つかっても、自分で削ったり掃除機で吸い取ったりするのは厳禁です。
飛散リスクを高めないように、現状のまま専門家へ相談しましょう。
法令で義務化された事前調査

2022年以降、解体・改修工事におけるアスベスト対策の規制が強化されました。
工事を行う際は、次の3つの事項を遵守する必要があります。
1.事前調査の実施義務
解体やリフォームの際、着工前にアスベストの有無を調べる事前調査が必須となりました。
調査は、建築物石綿含有建材調査者などの有資格者が行います。
事前調査の義務化についてよくある質問と対策は、関連記事をご覧ください。
(関連記事:アスベスト調査の義務化はいつから?2023年からの法律変更点と対応策)
2.行政への報告義務
次の条件に該当する場合、アスベストの有無に関わらず、自治体への電子報告が義務付けられています。
- 解体工事:床面積が80㎡以上
- 改修・リフォーム:請負金額が100万円以上(税込)
3.所有者の配慮・協力義務
事前調査や報告の法的義務者は原則として施工業者ですが、建物の所有者・管理者には、資料提供や費用負担などを通じて調査や安全対策に協力する責任があります。
所有者としては、次の点を意識すると安心です。
- 見積もり段階で「アスベスト事前調査の有無・内容」を確認する
- 調査結果の説明や報告書のコピーを求め、保管しておく
- 不明点があれば自治体窓口や第三者の専門家に相談する
安全な住環境維持のための飛散防止対策

アスベストが含まれていたとしても、次のような対策が可能です。
- 軽微な劣化は「封じ込め」を検討
建材が安定している場合は、上から塗装したり、新しい建材で覆ったりする(カバー工法)ことで飛散を防げる - DIYの制限
アスベスト含有の疑いがある壁への穴あけや切断は、個人で行わないようにする - 信頼できる業者の選定
工事の際は「アスベスト含有建材調査者」などの資格を持つプロが在籍する業者を選ぶ
困ったときの相談窓口と管理責任

戸建て・マンションを問わず、最終的な建物の管理責任は所有者にあります。
判断に迷った際や、工事の妥当性を確認したい場合は、以下の窓口を活用してください。
- 各自治体の環境・建築相談窓口:地域の助成金制度などの情報も得られる
- 労働基準監督署:工事を伴う場合の安全基準について相談可能
- アスベスト調査専門会社:専門的なサンプリング分析や診断が可能
都分析は、規制が厳格化される以前から20年以上“安全”を徹底してきたアスベスト調査のエキスパートです。安心してご相談ください。
まとめ
アスベスト住宅管理で重要なのは、正しく知り、適切に維持することです。
アスベストが使われた住宅であっても、適切に管理されていれば安全に住み続けられます。
将来の売却やリフォームを見据え、今のうちから建物の状態を把握しておけば、リスクとコストを抑えやすくなるでしょう。
判断に迷う場合は、自治体の相談窓口や専門の調査会社を活用してください。
出典