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2026.01.23
アスベスト住宅の売買における注意点|重要事項説明とリスク回避について
中古住宅の売買を検討する際、アスベストの存在は、売主・買主双方にとって大きな不安材料になります。
「住んでいて健康に影響はないのか」
「将来的に高額な除去費用が発生しないか」といった懸念から、取引自体をためらうケースも珍しくありません。
本記事では、アスベスト含有建材を使用した住宅を安全に取引するために、知っておきたい制度上のルールと注意点を分かりやすく解説します。
アスベスト住宅売買の基本|重要事項説明

中古住宅の売買において、アスベストに関する事項は、2006年の施行規則改正によって「重要事項説明」の対象に加えられました。
重要事項説明で求められる「調査記録の有無」と「内容の説明」
現在の法律では、不動産会社(宅地建物取引業者)は契約に先立ち「アスベスト使用に関する調査記録が存在するかどうか」を確認し、買主に説明する義務があります。
誤解されやすいのが、不動産売買でのアスベスト調査が義務化されたわけではない点です。
あくまで「記録があるならその内容を伝え、ないなら『記録なし』と伝える」ことが義務の範囲となります。
重要事項説明書に「無」と記載される背景
重要事項説明書の「石綿の使用の調査結果の記録」の欄に「無」と記載されていることがあります。
これは「アスベストが使われていない」という意味ではなく、多くの場合「調査を実施した記録が存在しない」ことを示しています。
文字通りに「アスベストの心配はない」と解釈してしまうと、将来トラブルに発展する恐れがあるため、慎重な確認が必要です。
不動産売買でのアスベスト調査は義務ではない

住宅を売る際、売主が自費でアスベスト調査を行うことは法律上の義務ではありません。
建材の状態や使用状況が、物件ごとに異なるためです。
また、「建材が露出していない限り、通常の居住によって直ちにアスベストの健康被害が生じるものではない」という医学的な見解も背景にあります。
ただし、以下のようなケースでは、調査の必要性が高まります。
- 築年数が古い:2006年以前の建物は使用されている可能性があるため
- 改修の予定あり:工事内容や規模によっては、着工前に法令等に基づく事前調査が必要になるため
- 高値での売却希望:買主の不安を払拭し、取引をスムーズに進めるため
都分析は、規制が厳格化される以前から20年以上“安全”を徹底してきたアスベスト調査のエキスパートです。安心してご相談ください。
売主が知っておくべき告知義務と法的責任

売主には、物件の重要な不具合やリスクを伝える告知義務があります。
アスベストも告知義務の対象です。
- 知っている事実はすべて伝える:過去に調査を行ったことがある、あるいは特定の箇所にアスベストが含まれていると知っている場合は、必ず告知しなければならない
- 「知らないこと」への責任:調査を行っておらず、売主自身も把握していなかった事項については、原則として責任を問われない
- 情報の書面化:口頭のみの説明は「言った・言わない」の論争を招きやすいため、必ず重要事項説明書や物件状況報告書に記載する
故意に事実を隠して売却した場合、契約適合責任を問われ、損害賠償や契約解除に発展するリスクがあります。
買主がチェックすべきポイント|築年数とリフォームの有無

買主側は、物件のスペックからアスベストのリスクを予測する必要があります。
着工年は2006年9月が大きな境界線
日本国内では、2006年9月以降、アスベストを0.1重量%を超えて含有する製品の製造・使用が全面的に禁止されました。
したがって、2006年9月以降に着工された住宅であれば、アスベスト含有建材の使用リスクは一般的に極めて低いと考えられます。
一方、2006年9月以前の建物については、一定程度のアスベスト使用を想定しておくのが現実的です。
リフォーム・解体時に発生する追加コスト
将来的に壁を壊すようなリフォームや建物の解体を行う場合、法律により事前調査が義務付けられています。
(関連記事:アスベスト調査が義務化!リフォーム時の注意点と費用について)
調査の結果、アスベストが検出された場合には、飛散防止のための特殊な工法が必要となり、費用負担が大きくなる可能性があります。
購入価格だけでなく、将来の改修やメンテナンスコストやも含めた視点で検討することが重要です。
まとめ
アスベストが含まれている可能性がある住宅でも、適切に維持管理されていれば、売買や居住自体が直ちに問題となるわけではありません。
最も避けたいのは、制度を十分に理解しないまま契約を結んでしまうことです。
- 売主は、知っている情報を誠実に開示すること
- 買主は、将来の改修費用や維持の手間を考慮して判断すること
双方が納得した上で、後悔のない不動産取引を行いましょう。
出典