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2024.08.31
【アスベスト】レベル判断の基準とは?レベル1・2・3の違いと注意点を解説
アスベストはその健康リスクが明らかになったことで、事前調査や報告の義務化が進んでいます。特に解体や改修工事の際には、アスベストの有無やそのレベルを正確に判断・確認することが求められます。
ところで、アスベストにはレベル1、レベル2、レベル3がありますが、その基準・違いを正確に理解しないと、安全な取り扱いもできません…。
本記事では、アスベストのレベル判断基準を解説し、レベル1・2・3の違いと注意点について詳しく説明します。建築や解体に携わる方々はもちろん、建物所有者や管理者の方々にとっても、参考となるでしょう。
アスベストのレベル判断基準とは?
アスベストは、その「発じん性」に応じてレベル1、レベル2、レベル3の3種類に分類されています。
発じん性とは、アスベスト繊維が空気中に飛散しやすいかどうかを示す指標です。発じん性が高いものほど解体時のリスクが増し、健康への影響が大きくなるため、適切な管理が必要です。
アスベストのレベルは数字が小さいほど危険性が高いです。
アスベストのレベル1・レベル2・レベル3の基準と区分について
アスベストのレベル分けには、一定の基準があります。
国土交通省の『アスベストの飛散性・非飛散性とレベル1~3の整理』という資料に基づいて、レベル区分の基準などを表にまとめました。
作業レベル | 発じん性 | 必要な対策 |
---|---|---|
レベル1 | 著しく高い | 発じん量が非常に多いため、作業場所の隔離が必要。 高濃度の粉じんに対応した防じんマスクや保護衣を着用し、厳重なばく露防止対策が必要。 |
レベル2 | 高い | 比重が小さく発じんしやすいため、レベル1に準じた高いばく露防止対策が必要。 |
レベル3 | 比較的低い | 発じん性が比較的低いため、破砕・切断などの作業時には湿式作業を原則とし、防じんマスクを着用する。 |
以上の表にて、石綿含有建材のレベル別分類を示し、発じん性に応じた作業基準や必要な防止対策を簡潔にまとめました。
アスベストのレベル1・レベル2・レベル3はどのくらい存在する?
環境省の『特定建築材料以外の石綿含有建材(レベル3建材)除去等作業時の石綿飛散防止』という資料によると、アスベストのレベル別の出荷量は以下の通りです。
上記の出荷量データによると、石綿含有建材の約96%がレベル3の成形板であり、これは約700万トンに相当します。一方、飛散性が高いレベル1やレベル2の建材は、全体のわずか4%に過ぎず、その出荷量は比較的少ないことがわかります。
アスベストレベルごとの解体・除去作業の違い
アスベストのレベルによって、解体・除去作業の方法や必要な手続きが異なります。
当然ながら、レベルが高いほど厳重な管理と対策が求められます。特にレベル1と2の作業は、専門業者による実施が不可欠です。レベル3でも、適切な知識と対策なしに作業を行うことは危険です。
また、レベル1とレベル2では労働基準監督署に「事前調査結果の届出」「工事計画届」「建物解体等作業届」などを提出し、地方自治体には「特定粉じん排出等作業届」「建設リサイクル法の事前届」などを届け出る必要があります。
レベル3でも、労働基準監督署に「事前調査結果の届出」、地方自治体に「建設リサイクル法の事前届」を提出することは必要です。
また、工事の規模や地域の条例により、追加の手続きが求められる場合もありますので、各自治体の窓口に確認することが重要です。
【まとめ】アスベストのレベル1・2・3の基準を正しく理解しよう
本記事では、アスベストを「発じん性による危険度」を基準に、レベル1、レベル2、レベル3の3種類に分けた際の基準や取り扱いの注意点を解説しました。
レベル1や2は発じん性が高く、厳重な管理と専門業者による作業が必須です。アスベスト含有建材のうち96%ほどを占める「レベル3」でも、適切な届け出と対策が求められます。
建築関係者や建物所有者、管理者にとっても、アスベストのレベルを正しく知り、適切に取り扱うことは重要な課題です。アスベストのプロに相談すると確実です。