お知らせ
2025.01.09
アスベストは水に溶ける?水道水への影響と濃度の基準について
- アスベストは水に溶けるのか?
- 水道水にもアスベストは影響する?
- 水中のアスベスト濃度に基準はあるか?
本記事では、上記のような内容について、解説していきます。
アスベストと水の関連性・安全性に関心のある方々の参考となるはずです。
アスベストは水に溶けるのか?
アスベストは鉱物繊維であり、非常に細かい繊維状の構造を持っています。アスベストは化学的に安定しており、水には基本的に溶けません。
水中にアスベストが存在する場合でも、それは繊維状の微粒子として浮遊する形になります。
例えば、雨が降るとアスベストの飛散が抑えられるものの、乾燥すると再び風に乗って飛散する可能性があります。専門家によって正しく除去されない限り、消えてなくなることはないので、長期的かつ適切な管理が求められます。
水道管におけるアスベストの使用歴
水道管には、過去にアスベスト(石綿)が使用されていたことがあります。裁判所の調査にも書かれていますが、特に、「昭和30年代から40年代」にかけて、その扱いやすさや価格の安さから、石綿セメント管が広く使用されていました。
その後、強度の問題や、アスベストのリスクが知られるようになったこともあり、昭和60年頃には全国的に製造が中止されています。
アスベストが水道水に混入する可能性
アスベストは水に溶けることはないため、水道水に混入することはありません。あり得るとすれば、老朽化した水道管やアスベストを含む建材が破損・崩壊するケースが挙げられます。水道技術研究センターの調査によると、全国の石綿セメント管は着実に減少しており、耐震性に優れたダクタイル鋳鉄管等への取り替えが進んでいます。
水道水中のアスベスト濃度の基準
水道水中のアスベストは、健康への影響がきわめて小さいため、濃度の基準値は設定されていません。以下、平成17年に厚生労働省健康局水道課が発表した内容を引用します。
・アスベストは呼吸器からの吸入に比べ経口摂取に伴う毒性はきわめて小さく、
また、水道水中のアスベストの存在量は問題となるレベルにないことから、水質基準の
設定を行わないとした
・世界保健機関(WHO)が策定・公表している飲料水水質ガイドラインにおいても、飲料水
中のアスベストについては、“健康影響の観点からガイドライン値を定める必要はないと
結論できる。”としている
上記の通り、水道水中のアスベスト濃度は基準値を定めるまでもないほど健康への影響がなく、安全に飲むことができます。
まとめ
今回のブログ記事では、アスベストは水に溶けるのか、水道水への影響はあるのかという点について解説しました。
結論、アスベストは水に溶けず、水道水のアスベストを気にする必要はありません。老朽化した水道管の交換も進んでおり、水道水の安全性は十分に確保されています。
もしも、自宅や近隣施設の水道設備に老朽化した石綿セメント管使用の疑いがあるようなら、担当窓口に連絡し、専門の業者に調査・作業を依頼しましょう。水とアスベストに関する正しい知識を持ち、不安を解消していきましょう。