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2024.11.15

アスベスト調査の義務は誰にある?所有者や元請業者の責任とは?

建物の解体やリフォームを行う際には、アスベストが含まれていないか事前調査を行うことが法律で義務付けられています。

ところで、このアスベスト事前調査の義務・責任は誰にあるのでしょうか?

今回の記事では、建物所有者元請業者の責任について詳しく解説します。法的義務を正しく理解し、なにをすべきなのか確認しましょう。

アスベスト事前調査の義務は誰にある?

建物の解体やリフォーム時にはアスベストの事前調査が義務付けられています。

調査の実施に関しては、主に元請業者に法的義務がありますが、建物所有者にも重要な役割があります。

元請業者の責任

  • 解体・改修工事の元請業者が、アスベスト事前調査の実施義務を負う
  • 調査結果の発注者(建物所有者等)への説明責任がある
  • 一定規模以上の工事の場合、調査結果を都道府県知事に報告する義務がある

アスベスト事前調査については、元請け業者に実質的な義務・責任が発生します。なお、実際に調査を行うためには「建築物石綿含有建材調査者」などの資格が必要なので、専門会社に依頼することも多いです。

調査でアスベスト含有と判断され、解体や改修工事を実施する場合は、アスベスト専門業者を手配し、適切な除去や封じ込めを行い、安全な作業環境を確保する責任もあります。

建物所有者の役割

  • 工事の発注者として、アスベスト調査に必要な建築図面や過去の改修記録を提供し、調査が円滑に進むよう協力する必要がある
  • 調査結果に基づいて、必要な対策を講じる責任がある
  • 通常、調査にかかる費用は発注者が負担する
  • 調査結果や対策の記録を適切に保管し、将来の工事や売買の際に活用する

建物所有者にも、アスベスト調査の義務・責任が及びます。

例えば民法717条では、土地の工作物等の占有者及び所有者の責任があり、適切な管理が求められます。

建物を解体または改修(リフォーム)する際に、アスベストが含まれているかどうかを確認する責任を負っています。この責任は、たとえ建物を他の人に貸している場合でも変わりません。

アスベスト調査義務違反の罰則

アスベスト調査に関する法令違反には、厳しい罰則が設けられています。これは、アスベストによる健康被害の重大性を考慮したものです。

例えば、アスベストの事前調査報告を怠ったり、虚偽の報告をした場合には、大気汚染防止法に基づき、最大で30万円の罰金が科される可能性があります。
また、アスベスト除去などの義務を守らなかった場合、3ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が課されることがあります。

近年、アスベスト関連の法規制はさらに厳しくなっており、国としてもこれ以上健康被害を出さないことを徹底したい考えなのでしょう。

調査を依頼するなら誰に任せる?アスベスト専門業者の選び方

アスベスト調査は、専門の知識と技術が必要なため、信頼できるアスベスト調査業者に依頼する必要があります。

以下は、アスベスト調査を依頼する前に確認しておきたいポイントです。

  • 資格と許可を確認する
    アスベスト調査には建築物石綿含有建材調査者などの資格が必要です。長い歴史があり信頼できる業者や、環境省に認可された業者を選びましょう。
  • 過去の実績を見る
    調査業者の過去の実績や評判を確認することも重要です。信頼できる業者は、過去に多くのアスベスト調査を行っており、成功事例を示すことができます。
  • 見積もりを比較する
    いくつかの業者から見積もりを取り、料金だけでなく、サービス内容や調査方法を比較しましょう。安すぎる業者には注意が必要かもしれません。

【まとめ】アスベスト調査の義務と責任を正しく理解しよう

アスベスト調査の義務と責任は、主に元請業者にありますが、建物所有者も重要な役割を担っています。

近年の法改正により、アスベスト事前調査実施者の資格要件が厳格化され、すべての建築物の解体・改修工事において資格者による調査が義務付けられました。

所有者は必要な情報提供と費用負担を、元請業者は適切な調査の実施と結果報告を行う必要があります。両者が協力して対応することで、安全かつ適切な工事の実施が可能となります。

なお、アスベスト調査の義務違反には厳しい罰則が設けられているため、関係者全員が法令を遵守し、適切な調査を実施することが極めて重要です。建物の安全性確保と健康被害の防止のため、アスベスト事前調査に関する正しい知識と対応が求められます。

疑問点がありましたら、アスベストのプロにご相談ください!

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